独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

盲目とコオロギさん

俳優の斉藤洋介さんが亡くなられました。


また一人、名脇役の方が旅立たれました。
がん闘病中だったようで、前日まで仕事の話をしたり、亡くなられた当日も夕食を食べその後急変されたとのことでした。


一度見たら忘れないあの出で立ち・風貌。


僕は斉藤さんの出演作品の中で今でも覚えているのが「世紀末の詩」というドラマです。
https://www.youtube.com/watch?v=V6IvGwVXczQ&t=2189s

遠山景織子とWゲスト出演していた回で、
遠山景織子演じる盲目の恋人女性に手術を受けさせるために道化師をしながら手術費用を稼ぐコオロギさんという中年男性役でした。
そして彼女の手術は成功。
しかし目が見えるようになった彼女はコオロギさんを見て「ボランティアの方です」と言い放ち、彼のもとを去る。


ラストシーンで雨に打たれながらピエロを演じる斉藤さんがとても印象的で、今でも覚えている数少ないドラマの一つです。


人は見ない方がいいこと、知らない方がいいことがたくさんある。
当時まだ中学生くらいだった僕ですが、この年齢になって本当に考えさせられる。
言わない方がいいこと、聞かない方がいいこと。


人生はいつだって理不尽だ。
どれだけ頑張ったって報われないこともある。
そしてそれは自分のせいでもある。
自分の努力だけじゃどうにもならないこともある。


このドラマ以前にも紹介しましたが、さすが野島伸司脚本。
考えさせられます。


ご冥福をお祈りいたします。