独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

渡部と暁人

昨日の平昌オリンピック女子マススタートで高木菜那選手のゴールシーンでは、おもわず「いけーーー」と大絶叫してしまいました。


今日で平昌オリンピックも閉会。
オリンピック好きの自分としてはちょっと寂しいです。


僕はメダルを獲った選手の笑顔よりも、負けてメダルを逃した選手の悔し涙に涙腺刺激される人間ですが、多くの選手が敗戦後のインタビューで気丈に振る舞う中、ノルディック複合団体戦での渡部暁人選手にはぐっときました。


日本は4位という結果でしたが、
試合後のインタビューで渡部暁人選手は次のように答えていました。


「今回は大会前から金メダルを獲るとかけっこうな大口叩いて、自分にプレッシャーをかけて臨んだんですが結果的にソチと同じ。4年間かけましたけど、何も変わらなかったという思いが強いです」


負けても応援してくれた人に対し本音を隠して気丈に振る舞う選手も多い中、
ここまで悔しさを言葉に出して表す渡部選手を見て、目頭が熱くなりました。
このような本音をインタビューで話す選手は逆に珍しいと思います。


「何も変わらなかったという思いが強い」


個人戦では前回のソチで銀メダル獲得。
今回の平昌でもノーマルヒルで銀メダル。


心無い人からは「シルバーメダルコレクター」と揶揄されることもあったそうです。


20日の個人戦ラージヒルでは「頂点は見えているのに、登り方が分からない」とも話していましたし、無念の気持ちでいっぱいできれいごとは言えなかったのだろうと思います。


彼がこの4年間、どれだけの努力を重ね、何を犠牲にし競技に向き合ってきたか。
全てはこのオリンピックが目標だったのだと想像することは容易です。
思うような成績が残せなかったという悔しさは、テレビの前だからといって簡単にきれいごとを並べることなど出来なかったのだと思います。


フィギュアスケート以外のほとんどの冬競技は、テレビでは放送されません。
我々はオリンピックの時だけ都合よくテレビで見て興奮させてもらい、楽しい時間を過ごさせて貰いました。
4年間努力した選手たちにより、メダルの期待をもってテレビの前で我々まで楽しむことが出来たんです。


頑張っている人はただそれだけで美しい。


こんな僕でも、平昌オリンピックで闘う選手たちを見て、少しだけ前向きになれました。
そう思いました。