独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

まるとさんかく

食材の買い出しのため、週に1回の買い物に行ってきました。


僕がいつも行くスーパーは小さいショッピングモールの中にあります。
ちょっと遠いしモールの一角に位置していることは煩わしくもあるのですが、そこが消費税分を割り引きするサービスをしているので、それを目当てにです。


買い物を終えて店を出ようと入り口に向かうと、会社の同僚の姿が目に映りました。


「あっ」と思い、とっさに後ろを向いてその場を離れました。



日曜の家族や恋人、学生で賑わうモールで誰かに会いたくなんてないからです。


帽子を深く被りマスクをしていたので、バレはしませんでした。


少し離れた場所から彼の姿を振り返ると、隣には奥さんとまだ小さい子ども、彼の両手には1歳くらいの乳児が抱えられていました。


そこには日曜のショッピングモールによく似合う、幸せそうな家族の姿がありました。


外に出ると、雨が降りだしています。


ふと隣に目をやりますが、僕の横には誰もいません。
すれ違う僕の両手には、1週間分の食材の詰まったスーパーの袋がぶら下がっているだけでした。



 

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