独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

老いぼれ犬とセレナーデ

人生のスランプ。


そう思い始めたのは30歳を過ぎた頃。
病気の発覚や、失恋などが重なった時でした。
病気が家族へ知られることを恐れ、逃げるようにしてアパートを借りて実家を出ました。


その借りたアパートが北西向きの夕方5時くらいにならないと陽が当たらない部屋でとにかく寒くて寒くて。
これはダメだと、1年もしないうちに今の南向きのアパートに引っ越しました。


人生のスランプがあれから10年続いているような気がする。
でもそれは未来進行形でもあり、それは全てこの自分の性格が招いたもの。


自業自得。


けして特別なことは望んでいないのだけど、
好きな人と幸せになり家庭を持つことや、子どもを設けること、気の置ける仲間とたわいもない会話をし、仕事帰りにご飯でも食べに行く。
そんな日常のささやかな幸せを一つも手に出来ていない今。


全ては自業自得。
誰かと傷の舐め合いも出来ない、自分で舐めるしかない。
その誰かは遠くで幸せに過ごしているのだろう。