独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

懐とホッカイロ

一昨日に休日出勤しました。


半日働いたのでどこかで代休を取るように言われるかなと思いましたが、
時間外勤務ということで申請することになりました。


普段は残業してもほとんどつけないのですが、今回は働いた分が時間外勤務手当という形でもらえそうです。


12月の給料で反映されるので、年末年始で物入りの時期に少しだけ懐が温まりそうです。


独男は肌を寄せ合う相手はいませんので、自分で頑張って温まるしかない。
もしくはホッカイロを使うか。


いや、一つだけ温まる方法があった。
そうだ、実家の猫に会いに行こう。

老いと黄昏

僕の生活を支えてくれている生命線、近隣の産地直売所の半額お惣菜。


最近不漁が続いている。
原因は分かっている。


他のハイエナが強敵揃いなのだ。


彼らは百戦錬磨。
軽トラックに乗ってやってくる輩も多い。


自分など彼らの中に入れば若造にすぎない。
狩りの経験も技術も彼らには適わない。


ここの人間模様を見ていると、おひとりさまらしきハイエナも見かける。


その姿に自分の未来を重ね合わせ少しだけホッとする。


日本列島に寒波が押し寄せ部屋が超寒い。
それなのに下に住むお姉ちゃんは部屋の窓を開けている。
僕は暖房をつけた。


やっぱり下のお姉ちゃんは変わっている。


そして僕も変わっている。
そんなことしか考えることがないからだ。



画鋲と包帯

急遽休日出勤となり、仕事に行ってきました。
バタバタして出かけたので昼飯を食っていません。


いつもの帰り道、民家のガレージの軒下でバーベキューをやっている人たちを見かけました。
車窓からですが、煙が立って美味しそうに串焼きを食べている人が目に映りました。


「美味そうだな・・・」


幸せそうで美味しそうな笑顔に、なんとなく見てはいけないものを見たような気になりました。


今夜は休日出勤した自分へのご褒美に、3割引きの時に買っておいた250円の牛ランプステーキを解凍して食べようと思います。


バーベキューで仲間と一緒に食べる肉も、寒いアパートで一人で食べる肉も、どちらも同じ牛肉。


きっと美味しいはずだ。


きっと。


僕は仲間とか恋人というスパイスは持っていない。
塩コショウで味付けしよう。

おっさんと涙

 

一昨日から3回以上見ているドラマ「世紀末の詩」の第4話
20年前放送されていた当時も見ていたため記憶にありました。


30代もとっくに過ぎたおっさんは涙腺崩壊しましたよ。
泣きはらしました。
ここ最近では記憶にないほど泣きました。
おっさんの涙。


昨日はこのドラマの第2話のことを書きましたが、この第4話は超泣けます。




週末に時間のある方。
久しぶりに泣いてみたい方。


時間があればご覧ください。


互いに思い、無償の愛とはこういうことをいうのでしょうか。
この人と一緒にいたいっていう思い。


でもそれが目の前から無くなった時に、人は生きていけるのだろうか。


1億円の小切手よりも大切なものがある。
そう教えてくれているようです。

パンドラと箱

 

自分が高校生くらいの頃、野島伸司脚本で「世紀末の詩」というドラマがありました。



1話完結型のドラマだったのですが、強く印象に残っている回がありまして。



中年男性と若くてキレイな目の見えない女性のお話し。
男性を斉藤洋介が演じ、盲目の女性を遠山景織子が演じていました。


あらすじ


冴えない日々を送る中年男(コオロギ)と、美人だけれど目の見えない女性。
ふとしたことから知り合った二人は互いに惹かれ交際を始めます。


古いアパートで幸せに暮らす二人。
ある時手術をすれば彼女の視力が回復すると男は知ります。
ただし、多額の手術代がかかる。


女性はこのままでいいと言いますが、
男はどうしても目が見えるようにしてあげたいと思います。


そして学生時代にパントマイムをやっていた男は、その経験を活かしバイトで大道芸を始めました。
彼女の目の手術費用を作ろうとしたのです。


そして、無事に手術は成功。
男は大喜びで彼女の元へ。


目が見えるようになった女性は男にこう言います。


「あなたがコオロギさん?想像していた顔と少しちがった」


彼女は男と住んでたアパートへ一緒に戻るのですが・・・


見えるようになった世界は、あまりにも想像と違っていたようです。


中年男の姿に安いボロアパート。


目の手術をしてくれたイケメン医師からあの男性とはどういう関係ですか?と聞かれ、
彼女はこう言います。


「福祉のボランティアの方です」


書置きを残して、彼女はこっそり家を出ました。
そしてその医師と婚約してしまいます。



しかし男は彼女を責めません。
夢を見たと思って諦めますと。
仕方ないと。


何事もなかったかのように、男は大道芸をまた始めます。
雨の中、ピエロの格好で古時計のパントマイムを。






手術をしなければ、中年男性は一生女性の側にいられたことでしょう。


彼は、開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまった。


手術なんてやめておけばよかった。
余計なものが見えるようになったから。
欲と名の付くほとんど全てのものが目に見えるもの。
彼女はそれを見ずに済んでいた。


愛する彼女の目が見えるようになってほしい。
自分と同じ景色が見せたい。


でもそれと引き換えに愛を失った。


人間は見てはいけないものがある。




こんな物語でした。



見た後、後味の悪さしか残らない回でした。



僕もパンドラの箱を開けた経験があります。
結果は興梠さんと同じでした。
そこには絶望しかありませんでした。



 

道化師と無重力

今日は自分の担当業務に関連することでミスがありました。



直接僕がやってしまったのではなく、他の人が起こしたミスです。


自分的にはかなり重大なことなのですが、その人にとってみればそうでもないことらしく、かなり明るい感じで「すみませ~ん」というノリで報告をされました。


相当な違和感を感じました。
結局しわ寄せは僕のところへやってきます。


自分の直接起こしたミスではないものの一応直属の上司に状況報告をしていると、その当事者がやってきて、僕が報告している姿を見られてしまいました。


余計なことしやがってとか、大袈裟に騒ぎ立てやがってと思われたでしょうか。


だから「さらに上の人へは〇〇さんから一応報告しておいてください」とお願いして帰ってきました。




職場でも他の人と一線を引いて接しています。
周囲は僕ほど事の重大さを感じていません。


それならそれでいい。
一人でバカみたいに責任感じてもしょうがないじゃないか。


正義感は時に自分の足を引っ張る。
余計な正義感は引き出しの奥にそっとしまっておけばいいのだ。


それでいいと決心したのだ。


サウジとラッスンゴレライ


世界で最も入国が厳しい国はどこだか知っていますか?


 


その名は「サウジアラビア」です。



数日前のYAHOOトップニュースに衝撃的な記事を見つけました。



その名は「サウジアラビアが観光ビザ発給開始を決定か」。





かなり驚きました。


えっ?サウジが観光ビザ発給開始??


知らない方のために少しだけ解説を。
興味ない方にはなんのこっちゃら、という内容です。


サウジアラビアのメッカにはイスラム教の最高聖地であるカーバ神殿があります。
空港のPRAYER ROOMなどでもよく見かける➡(矢印)はこのメッカがある方角を指しており、世界中のイスラム教徒は、この神殿に向かってお祈りをしているのです

これ白っぽいつぶつぶ、みんな人。巡礼者です。


このカーバ神殿に巡礼することはイスラム教徒の一生の夢であり、カーバ神殿を擁するメッカにはイスラム教徒以外は立ち入ることすら許されていません。


また、サウジには同じイスラム教第二聖地であるメディナもあり、やはりメディナへも異教徒は立ち入ることは許されていません。


サウジアラビアは世界第一位の石油産出国。


それゆえに、オイルマネーで潤っているサウジは
「他教徒が入ってきてイスラム教の戒律が汚されるくらいなら、観光収入はいらない」として、観光目的でのビザ発行をかなり制限しており、通常では自由旅行は許されてません。

つまり、誰もが知っている超有名な国でありながら、気軽に旅行など出来ない国なのです。


そのサウジアラビアが石油依存の経済から脱却しようとして、観光ビザを発給し観光客を受け入れようとしているようなのです。


僕がバックパッカーをしていた10年前も、サウジには観光で自由にはいることが出来ないといった理由から、アラビア半島を陸路で移動するのはほぼ不可能でした。


しかし僕は、サウジアラビアに行ったことがあります。
これ、超自慢です。


バックパッカーだった当時。
通常は観光ビザを発給していないサウジアラビアが、イエメンからヨルダンに陸路で抜ける際にトランジットビザを発給していたことがあったのです。

条件はたしか、
①ヨルダンビザを持っていること
②イエメンのサウジアラビア大使館でトランジットビザを発行すること
③滞在(トランジット)制限は1週間
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当時エジプトで会った旅行者からこの情報を聞き、僕はどうしてもイエメンからサウジアラビアを抜けてヨルダンへ抜けるルートを行ってみたくて、エジプトでヨルダンビザを取得し、エジプトからイエメンへ飛びました。


イエメンの首都サナアにあるサウジ大使館にてトランジットビザを取得するわけですが、状況は非常に流動的で、いつ発行が停止されてもおかしくない、外交官の気分次第で発行してくれたり門前払いされることもあると聞いていました。


実際ビザを手に入れるのは非常に苦労し、
何度も何度も何度も大使館に足を運んで、やっとの思いでトランジットビザをGET出来た記憶があります。


その後実際にサウジアラビアに行き、紅海沿いのジェッダという大きな町に滞在しましたが、そこは出稼ぎ労働者も多い多国籍な街で、イメージとしては中東の大都会。
行ったことないですが、UAEとかカタールオマーンなどもこんな感じなのかと思いました。


途中で検問があるためメッカの方面に近寄ることなど出来ないのですが、
イエメンからサウジへ向かうバスでは巡礼服を着た人たちと一緒になり、無宗教である自分でも彼らを見て感慨深くなりました。


当時このイエメンからトランジットビザでサウジを通ってヨルダンへ抜けるルートは多くの旅人が試していて、ビザをGET出来た人もいれば出来なかった人たちもおり自分は本当にラッキーだったと思っています。


サウジアラビアのビザは顔写真入りのビザで、それが貼られているパスポートは僕の宝物です。


サウジに行ったことがあるという自慢。
中東好きの自分としては、ちょっと嬉しくもあり、ちょっと残念でもあり、そんな気持ちになったニュースでした。