独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

志半ばと追悼

NGO「ペシャワール会」の中村哲医師がアフガニスタンで銃撃を受け亡くなられました。


僕はこのニュースをスマホで見て知ったのですが、
最初はスマホを持つ手が震えました。
仕事を終え帰宅しテレビをつけるNHKでこのニュースを見ると
涙が止まりませんでした。


ペシャワールというのはパキスタン西部にあるアフガニスタン国境に近い都市で、
僕も2回訪れたことがあります。
この付近一帯は政府の力が及ばないトライバルエリアと呼ばれる部族地域があり、
タリバンをはじめとしたテロ組織の温床になっていると、僕が訪れた当時から言われていました。
現地ではそのトライバルエリアに入る闇ツアーなどもあったりして、少なからずバックパッカーでも訪れている人たちがいました。


このペシャワール近郊はパターン人という部族の人たちが多く、僕がパキスタンで出会うパターン人はとても親切で良い人たちばかりで、僕もたくさんの親切やおもてなしをいただきました。アフガンの人たちの中にもパターン人が多く、パキスタンで出会うアフガン人(パターン人)もこれまた良い人たちばかりでした。


中村先生は35年前にペシャワールに赴任したことをきっかけにアフガニスタンの発展に尽力された方です。
医師として赴任したものの医療だけでは人々の飢えと渇きを満たすことは出来ないと、アフガニスタンの灌漑や農地整備に着手し、現地の方々からも尊敬される人であると聞いています。
現地でその名を知らぬ人はいないと。


ただのバックパッカーであった自分ですら中村先生率いるペシャワール会のことは知っていました。


世界には他にもミャンマーを拠点とするNPO「ジャパンハート」の吉岡秀人先生や、同じく内戦続くスーダンを拠点に活動する「ロシナンテス」の川原尚之先生など、日本人医師が使命感を持って現地の人の支援にあたっており、その姿は僕からすれば英雄のように思い、同じ日本人として誇れる存在です。


吉岡先生や川原先生の講演会を聴きに行ったことがありますが、その活動内容や使命感を聞きこんな人たちがいるのかと頭が下がると同時に、自分自身とても感化されました。


アフガニスタンパキスタンも99%の人たちはみな平和と平穏を願い、とてもやさしい人たちばかりなのに、ごく一部のイスラム教過激派の人たちがいることも事実であり、こういった事件が起きてしまう。
11年前にもペシャワール会の支援員の方が現地で誘拐され殺害されています。


中村先生。
医療のみに限らず、どれだけの人を救ってきたのだろう。自分の生涯をアフガンのために捧げ、本当の本当のヒーローだったと思います。

そして悔しい。


ご冥福をお祈りいたします。