地上と曇天
久しぶりに携帯が鳴った。
姉からだった。
「〇〇たけのこ好きだよね、食べる?」
そんな内容の電話だった。
そういう何気ない会話をすることが普段ない僕。
今日はいい天気だね、あのテレビ面白かったね、あそこのお店美味しそうだね、、、
一人でいることは気楽な反面、日常のささやかな出来事を共有する相手はいない。
今現在も心が落ち込んで這い上がれていない中、姉とのこんな会話ですら涙が出るほど嬉しかった。
なんだか嬉しかった。
結局一人でいても誰かといても、寂しさを感じる人は感じるだろう。
僕自身がそうだ。
でもそれなら僕は自分自身の特性上誰かと一緒に居たい。
年収1千万とか、株で一儲けとか、豪邸に住みたいとか、高級車に乗りたいとか、
大きなことなんて何も望んでいないのに。
日常の些細なことなのに。
それすら手に入れることは難しい。