窃盗ランナーとプラトニック
4月7日放送のフジテレビの「ザ・ノンフィクション」ご覧になった方いらっしゃいますか。
今回の表題は「窃盗ランナーと呼ばれて」。
ニュース等でもかなり報道された元マラソン選手の原裕美子さんの司法判決前後を追った内容でした。
番組は最初からあたかも彼女が更生に向かって順調に歩んでいるかのような展開。
しかし非常に後味の悪い、衝撃的なラストでした。
覚せい剤で3度の逮捕歴のある人に少女のようにあどけない顔で恋心を抱く彼女を見せたり、彼女の起こした事件により疎遠となった兄弟と和解することの難しさを見せたり。
誰だって一度や二度、間違いを犯すことはある。
でもその一回が自分や周りの人の人生を壊すことにもなりかねない。
そして壊れたものは簡単には元には戻せない。
それでも人は繰り返していく毎日の中で生きる理由となるものを見つけて生きていく。
視聴者にそういうことを感じさせる構成になっていました。
実業団時代の厳しい練習とか管理とかももちろんあるのだろうけど、人間としての危うさ・脆さみたいなものも彼女からは感じられて。
それでも更生に向かって一歩ずつ歩んでいるかのような描き方をしている。
アルコールとか万引きとか覚せい剤とかSEXとかギャンブルとか恋愛とか。
依存症ってどれもそうなんでしょうけど、
以前聞いたことがあるのは、アルコール依存症の人が依存症を治す唯一の方法は「一滴も酒を飲まないこと」だそうです。
それが唯一無二の方法なんだそうです。
これに照らし合わせれば、もう原さんこの最後のオチで失敗してるじゃんね。
僕はこの番組のファンだけど、非常に後味の悪い終わり方だった。
人の心は脆い。
依存症の更生は簡単ではない。
それを伝えたかったのかもしれないけど、見世物のパンダのような演出でした。