独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

ユメちゃんとひじき

僕の日曜日の日課である、産直の半額お惣菜争奪戦に先ほど参戦してきた。


今日は時間2分前に到着。
すでにハイエナが数匹スタンバッている。
しかも今日は獲物が大量に売れ残っている。


その中にはおばあちゃんと一緒に来ている5歳くらいの女の子もいた。
おばあちゃんが「ユメちゃん何食べたい?」と聞くと、ユメちゃんは「ひじき」と答えていた。

ひじきの煮物が好きだなんていい子じゃないかユメちゃん、と心で呟く。


そして半額シールが貼られ始める。


僕は一つだけ売れ残っていた大好物の「ソースカツ丼」をGETしたかったのだが、
80歳くらいのJJIがその目の前でぴったりマークしており、JJIはシールが貼られるのとほぼ同時にソースカツ丼を手に持った。
というか、貼られる前にすでに弁当に手をかけていた。
秒速技だった。


次に欲しかったもつ煮。
2パック売れ残っていた。
しかしソースカツ丼の戦いに敗れ、すぐにもつ煮に視線を移すがまたしても目の前でBBAに獲られてしまった。


ここも戦場。
戦なのだ。
強いものが勝つ。


BBAやJJIが次から次へと手を伸ばすため、ユメちゃんは揉みくちゃにされて転びそうになっていた。
おばあちゃんの「ユメちゃん危ないから後ろに下がってて」との声が響きわたる。


僕は太巻きや弁当のおかずに入れるからあげ、メンチカツなどをGETして帰ってきた。
滅多に売れ残っていない人気のソースカツ丼をGETしたかったが、仕方ない。


最後にユメちゃんの手には無事にひじきが握られていた。


よかったなユメちゃん。
あばよ!


そう心で呟き戦いを終え帰ってきた。