独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

税金と寄生虫

今まで絶望に触れたことが2度ある。

一度目は母の死。

母が死んだ時、こんなにも辛いことが世の中にあるのかと思った。

自分を産み育ててくれた人が、この世からいなくなる日が訪れることを想像できなかった。
ただ、余命を宣告されてから1年以上あったため心の準備をすることは出来た。



二度目は30歳を過ぎた頃。

突然病気が発覚した。突然だったから心の準備はなかった。
医師からは現代の医療では完治しないと言われた。
症状を抑えるために死ぬまで、もしくは薬が効かなくなるまで生涯にわたり治療をする必要があると言われた。

多額の医療費がかかると同時に子どもを作れない体となり、結婚も諦めた。
世間が定義する人並みの幸せを。

二度目のあと、生きていて見える景色は絶望だけだった。


それでもたいていのことは時間が解決してくれると僕は知っている。


今では一見、健常な人と同じように生活できている。
そのように振る舞っている。

多額の医療費は皆さんの税金によって公費負担を受けられており、実際の医療費の自己負担は少なくて済んでいる。

しかし、一番の問題は病気ではなく、この自分自身の性格や人間性にあることも分かっている。


こんな自分が皆さんの血税で生かされており、申し訳ない気持ちでいっぱいです。