独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

雫と霧

職場で期間従業員として働いていた人が今日で最終日ということで、自分にも挨拶に来てくれました。

その人は50代、部署は違うため会った時に挨拶をする程度の関係でした。
4月以降はどこで働くのという話題から少し長く立ち話をし、聞けば30代の時に大病を患い約6年間働けない期間があったようで、今も正社員でフルタイムで働くことは難しく、体に負担をかけない程度のパートで今後も働くとのことでした。

本当は辞めたくなかったけど、契約更新してもらえなかったため、4月からはまた違うところで似たような仕事をするそうです。

すごくやりがいを持って働いていたようで、パートであることから生活は苦しいがやりがいを持って充実した時間を過ごせたと話していました。

なにより印象的だったのは、
「病気をして仕事が出来なかった6年はけして無駄じゃなかった。仕事が出来ずに社会との繋がりを持てないという現実は本当に辛い。どんな仕事でも職場でも、大変なのは同じ。人間関係だってどこに行ったってありますから。たとえパートでも、自分はこれだって思える仕事を見つけられてそれが出来ている今は幸せ」と言っていたことです。

僕は自分の人生に前向きになれずにいます。
でもその人は違う。
それだけの経験をしていながら、苦労を苦労と思わず、すべてのことを好意的に、前向きに捉えている。

きっとそんな性格の持ち主であるからこそ、そういう考え方の出来る人だからこそ、自然と道は開けて光は差していくのだと思いました。

環境のせいにするのではなく、自分次第なんだと。


その素敵な人柄と対比し、自分の抱える闇がさらに濃くなりました。
思わず目を見て話せなくて、最後は少しだけ目をそらしました。