独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

フィデル死去とキューバ革命

今日のトップニュースはどの局もキューバの前国家元首であった
フィデル・カストロの死去を報道していました。

すでに体調不良から政治からは引退し、今は弟のラウルが議長を務めていますが、
カリスマ指導者は一線から退いても革命の象徴であり、本当に一つの時代が終わったな、と感慨にふけます。

当時の親米政権であったバティスタ政権を倒すためメキシコから82名でグランマ号に乗り込んでキューバに上陸、激しい戦闘の末に生き残った18名と支持者のゲリラ戦によって政権を打倒し革命を成功させたことはあまりにも有名です。

共産主義社会主義国家として唯一の成功国といわれていたキューバ
キューバ革命だけみると、ゲバラのほうが映画化や書籍化、T-シャツに描かれていたりもするため知っている人は多いと思いますが、革命後の反米を貫き通した社会主義国家の象徴として、フィデルの存在は大きかったと思います。

なんと暗殺未遂は600回を超えるそうで、暗殺されなかった革命家としても有名です。

ちなみに、ゲバラはよくチェ・ゲバラと呼ばれるため、これを本名と思っている人が多いのですが、本名はエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナです。
彼はアルゼンチン人であり、「チェ」というのはいわゆるあだ名です。

チェ・ゲバラ - Wikipedia


ゲバラとともに散った日系人


すでに昨年にラウルがアメリカとの国交を回復したことは大きなニュースになりましたが、オバマ大統領の在任期間の最大の功績ともいえるキューバとの国交回復。

目と鼻の先ほどの距離にあるこの2国が半世紀以上にもわたって敵対してきた事実は、
ただの一旅行者であった自分ですらも感じるものがありました。

当時南米はコロンビアからメキシコのカンクンに入った僕は、カンクンからキューバに空路で入ったのですが、キューバに入国する際にパスポートにキューバのスタンプは押されませんでした。
正確にいうと、別紙に押してもらったというほうが正しいのでしょうか。
キューバの出入国の証があると、アメリカ入国の際に問題があったのです。
下手すると入国拒否ということも。

こういった話は、中東ではイスラエルが有名ですね。
イスラエルの入国スタンプがパスポートにあると、その周辺国のイラク・シリア・イエメン・レバノンなどは入国を拒否されます。
イスラエルとは敵対関係にあり、そもそもイスラエルを国として認めていないということもあります。
今でこそシリアは内戦やイスラム国により今は入国出来ませんが、10年くらい前はトルコ~エジプト間を旅行するうえでシリア陸路で通る必要のある国、かつ見どころもたくさんあるため、ヨルダンからイスラエルを絡ませて旅行する人たちは、何が何でもパスポートにスタンプを押さないようにイミグレでお願いをしたものです。
もし間違って押されてしまったらその時点でアウト。
イスラエルの出入国官もそのあたりは承知してましたけどね。

なので、僕はキューバに行ったことがあるのに、パスポートにはキューバのスタンプは残っていません。

キューバは人が明るくて陽気で。
古い街並みと、その街を走り抜けるクラシックカー
アメリカ資本が入ってこなかったからこそ、そこだけ時が止まったかのような街並みが広がっていました。
「キューバ クラシックカー 写真」の画像検索結果
たしか、マキナっていったっけか。
乗り合いタクシーとしても使用されていて、現地価格で数円とかで乗れましたね。

街中で出会った若者と一緒に野球観戦に行ったり、釣りを見せてもらったり。
人々は親切で人種差別もない国で、本当にキューバは良かったです。

それでも社会主義のため、たとえ医者や公務員であったも給料は月に1500円程度と聞きました。
平等でありながら、どれだけ高い水準の能力を持っていても給料が報われず、不満を抱く人も多いそうです。

現地の人と旅行者により使用通貨が異なる2重通貨を採用しているキューバ
現地の人はペソ。
外国人はクック。
「キューバ ゲバラ 紙幣 写真」の画像検索結果
3ペソに印刷されているゲバラ新札がおみやげで欲しくてよく両替所を周った記憶があります。

アメリカと国交をもたなかったために、古街並みが建て替えられなかったりとクラシックカーを修理し続けて使い続け、それが逆に他に類をみない景色・文化として残る首都のハバナ
昨年の国交正常化に加え、今回のフィデルの死去は本当に時代の終り・変化を見ているようです。


今はアメリカから日に何便も飛行機は飛んでいるそう。

当時、フィデルが死ぬ前に・・・と思ってキューバは南米旅行の最後に絶対行きたい国でした。
あの時行っておいて本当に良かった。
ちょっと遠いですし、韓国に行くように気軽に行ける距離ではないですしね。

でも、また是非もう一度行きたい国の一つでもあります。