独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

薬と内服忘れ

僕の抱えている病気は現代医学では治らないため、治療は薬を内服して症状を抑えることが中心です。

死ぬまで1日2回ずっと、朝と夜に薬を飲む。
出来ることはただそれだけ。



医師からは、飲み忘れは絶対にいけないと言われており、治療で薬が開始された頃は
薬を飲むことが生活の中心でした。
薬を飲むために生き、薬を飲むということに支配されていた。


しかし、慣れとは怖いもので、薬を飲むことはいつしかトイレに行って排尿することや、3回食事をするのと同じように日常の一部となり、特別なことではなくなった。

それとともに、徐々に薬をきちんと飲まなくてはいけないという意識が薄くなり、
仕事をしている最中に「あれ、朝飲んだっけ・・・」と思い出して不安に思うことが増えていきました。

そして、昨日の夜、夜の薬を飲もうとピルケースを開けたら、朝の薬を飲み忘れていたことに初めて気が付きました。
もう半日が過ぎている。

しばらく呆然とその場に立ち尽くし、大きく息を吐く。
「やってしまった・・・・・」

飲み忘れ防止のためピルケースに1週間分の薬を準備し、チェック表を作成して毎日きちんと内服したかを記録するようにしていました。
見ると、昨日のチェックの欄にはきちんと〇がついている・・・・
チェックはして薬だけ飲み忘れ。
何のためのチェック表だと自分に憤りを覚えます。

一瞬にして全身の力が抜け、けだるい感覚に包まれました。