独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

けんちん汁と親父の味

夕方に親父から電話があり、「けんちん汁を作ったから、鍋を持って取りにおいで」
とのこと。

なぜか親父はけんちん汁が好きで、根菜類がたっぷり入ったけんちん汁を時折作ります。

作るといつも連絡をくれ、私の分を別の鍋に準備してくれています。

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けんちん汁は、私にとっていわば親父の味。
小さい頃から慣れ親しんだ味。
母が生きていた頃は、母もよく作ってくれました。

抗がん剤治療している父親を見ていると、あと何回この味を食べることが出来るんだろう・・・・とつい考えてしまいます。

この前親父と一緒に食べた2人で9300円の鉄板焼きランチもそれはそれでいいですが、親父のけんちんが何よりのごちそうに思います。

私のような独男には、自分のためにご飯を作ってくれるような相手はいません。

誰かが誰かを思って、その人のために作ったものは本当のごちそうではないでしょうか。
親父も私がけんちん汁を好きなことを知っています。

家庭のある人なら、奥さんがご飯を作って待っててくれること。
母親と同居している人なら、親が作ってくれるご飯。

毎日のこととなるとやがてそれが当たり前になりますが、そんな日常にある当たり前のことが本当に大切なものなのかもしれません。

お金を払えば美味しいご飯は食べられますが、そこには「愛という名のスパイス」は入ってませんから 笑