独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

叔父と叔母

3日連続の身元保証人代行に関することですが、

そのようなことを考える理由の一つに叔父と叔母の存在があります。


おじさんとおばさん夫婦は現在84歳と85歳。
2人に子どもはいません。
その2人の自己紹介ですが、

叔父・・・下半身マヒ・尿意や便意もなく垂れ流し状態・でも全くボケてない

叔母・・・両耳難聴・足腰が悪い・でも全くボケてない

二人とも足は悪いものの、内臓と脳は元気なのです。
叔父はかつて公務員だったため、夫婦合わせて毎月30万もの年金をもらっているそうです。
おそらく、一番年金の良い時代に退職になった人たちだと思います。

 



このおじさん・おばさん夫婦ですが、なんと4年前に新築で新居を建てました。
しかも2階建て。
2人住まいです。

ですが、買い物や通院、それこそゴミ出しすら自分たちでは行えないため、普段の買い物などは全て私の父をはじめとした兄弟がサポートしています。
介護保険のサービスなどもあまり積極的に利用せず、田舎特有の、「親族に頼ればいい」と思っている人たちです。

新築で家を建てる時も、それに2000万も使うのなら2人でいい老人ホームにでも入った方がいいと当然誰もが思っていましたが、非常に頑固でいわゆる典型的な昔の人である叔父夫婦は外野の意見を一切聞かず一戸建てを建てました。
もちろん内装は今流行りのものとは程遠い、年寄り好みの内装です。

叔父は心臓を悪くして、今年の初めからずっと入院していましたが、もうすぐ退院できるようです。
今までは数十万円したフランスベッドで寝ていたのですが、下半身マヒのある叔父はさすがにベッドへの昇降がしんどいとみえて、布団で寝ることにしたそうです。

そこでそのフランスベッドの行方ですが・・・・

普通の考えであれば、処分しますよね。
だって、もうそのベッドは必要ないわけです。ベッドに上がれないんですから。
今までも足を引きずりながら、ハイハイしてベッドまで移動し、叔母に手伝ってもらってやっとの思いでベッドに上がっていたのだそうです。

ですが、叔母は運送屋に頼んでクレーン車で1階のベッドを2階へ引き上げてもらったそうです。

・・・・4万円で。

その話を聞いた時には、もう開いた口が塞がらなかったです。。。
高価なベッドですから、手放すという考えはなかったのでしょう、叔母には。


でも・・・・2人とも、もう2階へ上がれるような足の筋力はないわけで・・・
叔父なんて、この4年で二階へ上がったのはたった1度きりだそうです。
それも、だれかにおんぶしてもらって上がったそうです。
そりゃそうです。
下半身が不自由ですから。


想像できますよね。
2人が亡くなった後、4万円かけて2階へ上げたベッドを、また数万円かけて1階へクレーン車で降ろすことを。。。

笑っちゃいます。

それだけではなく、現在100万円以上かけて敷地に駐車場(2台分)を造っているそうです。
ちなみに2人とも免許も車も持っていません。。。。だって85歳です。

住み慣れた家に最後まで住みたいという気持ちはわかります。
今まで生きてきた歴史や自尊心があり、希望を尊重してあげたい思いはあります。

しかし、子どものいない叔父夫婦は自分たちの力や社会資源を利用するだけでは
生きていくことはできず、70歳過ぎた兄弟の助けを借りてなんとか自宅で生活できている状況です。
私の父も自分が抗がん剤治療を受けながら、時折買い物などに連れていくなどし協力しています。

子どもがいないということはお金を残す人がいないわけですから、貯蓄をどのように使おうと自分たちの好きです。
しかし毎月年金だけで30万も入ってくるなら、2人で老人ホームに入るという選択肢はなかったのでしょうか?

はい、なかったと思います。叔父夫婦には。
あったら、80過ぎて新築建てないですよね。

2人の生き様を見ていると、自分の将来の身の振り方を考えずにはいられません。