車の鍵と途方に暮れる人
昨日仕事で東京へ行きました。
高速バスで向かったため、バス停近くの駐車場に車を停めました。
用事が済み、最終便で帰ろうとバスに乗り込みポケットを触ると
入れておいたはずの鍵が見当たりません。
「あれ・・・」
バッグをひっくり返して探すもありません。
すーっと血の気が引いていくのがわかります。
どこで失くしたのか、どこかで落としたのか全く思い当たるふしがありません。
しかもアパートの鍵も車の中に置いてあります。
藁をもつかむ思いで姉にメールすると、「スペアキーはあるのか」と聞かれますがスペアキーなんてどこに置いたか、そもそもあるのかも記憶がありません。
約10年前のガラケーである僕の携帯は2分電話すれば電池が切れる。
幸運なことにバスの座席にコンセントの差込口があり、充電が出来ます。
なんとかメールで姉とやり取りし、姉がJAFに電話し到着時刻に合わせた23時に来てくれることになりました。
姉も大学生の甥とともに向かってくれるとのこと。
満員のバスの車内では自分で電話は出来ないので、申し訳なさと感謝でいっぱいです。
でもJAFにいくらお金がかかるんだろ・・・・。
もしスペアキーがなかったら明日どうやって仕事にいこう・・・
夜も遅い23時に姉と甥に迷惑かけて・・・
そんなこんなで生きた心地のしない時間を耐えバスは停留所に到着。
車に向かい、もう一度よくポケットを触ると右のポケットの金具のところになんだか固いものが触れます。
あ・・・・あった。
さっきはあれだけ探して見つからなかったのに・・・・。
急いで姉に電話しましたが本当のことは言えず、「車のドアの下に落ちていた」とウソをついて謝罪しました。
JAFにもすぐに電話してもらい、到着前だから料金もかからないとのことでした。
いやいや、もうとっくに出発して向かってくださっているでしょうから料金を請求してもらいたかったですが、大丈夫とのこと・・・。
JAFにも申しわけない気持ちでいっぱいです。
あまりの精神的疲労にぐったりしましたが、そのままの足で実家に行き、わずかながらの感謝の気持ちで姉と甥に5000円ずつ渡してきました。
甥は喜んで財布にしまっていましたが、姉は「いらないよ」と。
でもそれでは僕の気が済みませんのでもらってもらいました。
日曜の夜に騒がせてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、それと同時に助けてくれた家族のありがたみを痛感しました。
こういう何か困難があった時に僕は頼れるような知人も友人もいないため、姉に頼るしかない。
家族の大切さを感じるとともに、自分が困ったときに助けを求められる人が他にいないという現実も感じ、なんとも複雑な夜でした。