独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

サウジとラッスンゴレライ


世界で最も入国が厳しい国はどこだか知っていますか?


 


その名は「サウジアラビア」です。



数日前のYAHOOトップニュースに衝撃的な記事を見つけました。



その名は「サウジアラビアが観光ビザ発給開始を決定か」。





かなり驚きました。


えっ?サウジが観光ビザ発給開始??


知らない方のために少しだけ解説を。
興味ない方にはなんのこっちゃら、という内容です。


サウジアラビアのメッカにはイスラム教の最高聖地であるカーバ神殿があります。
空港のPRAYER ROOMなどでもよく見かける➡(矢印)はこのメッカがある方角を指しており、世界中のイスラム教徒は、この神殿に向かってお祈りをしているのです

これ白っぽいつぶつぶ、みんな人。巡礼者です。


このカーバ神殿に巡礼することはイスラム教徒の一生の夢であり、カーバ神殿を擁するメッカにはイスラム教徒以外は立ち入ることすら許されていません。


また、サウジには同じイスラム教第二聖地であるメディナもあり、やはりメディナへも異教徒は立ち入ることは許されていません。


サウジアラビアは世界第一位の石油産出国。


それゆえに、オイルマネーで潤っているサウジは
「他教徒が入ってきてイスラム教の戒律が汚されるくらいなら、観光収入はいらない」として、観光目的でのビザ発行をかなり制限しており、通常では自由旅行は許されてません。

つまり、誰もが知っている超有名な国でありながら、気軽に旅行など出来ない国なのです。


そのサウジアラビアが石油依存の経済から脱却しようとして、観光ビザを発給し観光客を受け入れようとしているようなのです。


僕がバックパッカーをしていた10年前も、サウジには観光で自由にはいることが出来ないといった理由から、アラビア半島を陸路で移動するのはほぼ不可能でした。


しかし僕は、サウジアラビアに行ったことがあります。
これ、超自慢です。


バックパッカーだった当時。
通常は観光ビザを発給していないサウジアラビアが、イエメンからヨルダンに陸路で抜ける際にトランジットビザを発給していたことがあったのです。

条件はたしか、
①ヨルダンビザを持っていること
②イエメンのサウジアラビア大使館でトランジットビザを発行すること
③滞在(トランジット)制限は1週間
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当時エジプトで会った旅行者からこの情報を聞き、僕はどうしてもイエメンからサウジアラビアを抜けてヨルダンへ抜けるルートを行ってみたくて、エジプトでヨルダンビザを取得し、エジプトからイエメンへ飛びました。


イエメンの首都サナアにあるサウジ大使館にてトランジットビザを取得するわけですが、状況は非常に流動的で、いつ発行が停止されてもおかしくない、外交官の気分次第で発行してくれたり門前払いされることもあると聞いていました。


実際ビザを手に入れるのは非常に苦労し、
何度も何度も何度も大使館に足を運んで、やっとの思いでトランジットビザをGET出来た記憶があります。


その後実際にサウジアラビアに行き、紅海沿いのジェッダという大きな町に滞在しましたが、そこは出稼ぎ労働者も多い多国籍な街で、イメージとしては中東の大都会。
行ったことないですが、UAEとかカタールオマーンなどもこんな感じなのかと思いました。


途中で検問があるためメッカの方面に近寄ることなど出来ないのですが、
イエメンからサウジへ向かうバスでは巡礼服を着た人たちと一緒になり、無宗教である自分でも彼らを見て感慨深くなりました。


当時このイエメンからトランジットビザでサウジを通ってヨルダンへ抜けるルートは多くの旅人が試していて、ビザをGET出来た人もいれば出来なかった人たちもおり自分は本当にラッキーだったと思っています。


サウジアラビアのビザは顔写真入りのビザで、それが貼られているパスポートは僕の宝物です。


サウジに行ったことがあるという自慢。
中東好きの自分としては、ちょっと嬉しくもあり、ちょっと残念でもあり、そんな気持ちになったニュースでした。