輪舞と協奏曲
アパートで僕の住む部屋の下に住むおねえちゃんに彼氏が出来てからというもの、僕の生活も一変した。
仕事以外は出かけることのない僕は、必然的にアパートで過ごす時間が全て。
休日ヒキコモリ。
しかし、毎週末土曜日から月曜の朝までおねえちゃんのところには彼氏が会いに来て泊まっていく。
築25年の木造アパートは壁も床も薄い。
2人の楽しそうな話し声はまるで協奏曲を奏でるようにエンドレスに響く。
独りの時間を過ごす僕にとっては苦痛以外の何事でもない。
もちろん2人は何も悪くないことは分かっている。
楽しい時間を過ごしているだけだ。
若い人の言葉で、いわゆる「リア充」という日々を自分で送っていればこんなこと思わないのかもしれない。
アホな自分だ。
男の僻みは犬も食わないだろう。