日曜の14時ときよちゃん
「あなたには何か夢中になれるものがありますか?」
今回この問いかけから始まる日曜14時の定番「ザ・ノンフィクション」。
タイトルは「その後の中年純情物語」。
主人公は55歳の男性きよちゃん。
2年前に放送された回の「その後」を追っています。
あらすじは、
きよちゃんが地下アイドルのりあちゃんに出会い惹かれ、熱烈なファンとなります。
りあちゃんが働くカフェやライブに通い、りあちゃんを応援することが生きがいとなり、独身人生に張りが出る。
同時にりあちゃんは応援してくれるファンが出来たことで、きよちゃんのためにアイドルとして成功したいという気持ちが芽生えます。
番組はきよちゃんを中心に進んでいきますが、見ていると2人はもちつもたれつの関係だということがわかります。
地下アイドルと熱烈なファン。
歳の差30歳。
そこから先の関係には進めないと分かっていても、55歳の中年男性の淡い恋心やトキメキは、充実した人生に繋がっていく。
2人の関係には必ず「お金」が間に入ります。
お金なしには成り立ちません。
応援するには、りあちゃんに会うにはお金がかかる。
人との繋がりや触れ合いへ出費すること。
でも、それが二人の関係に一線を引いているのだと思います。
生活費以外のすべてを応援する地下アイドルのために使う人たち。
でもそれでいい。
それが彼らの生きる理由となり、生活の張り合いとなり、自分の人生が充実していると思える糧になる。
きよちゃんをいい歳してアイドルに酔透している痛いおじさんと思うかどうかは、それぞれ価値観によって違うと思います。
でも僕は、夢中になれる何かを見つけられたきよちゃんを羨ましく思います。
自分はこれだ、っていえるものが「りあちゃん」だったということ。
「夢中になれる何か」は人によって様々で、仕事という人もいれば、プラモデル、釣り、洋服、料理、恋人、子ども、習い事、韓流アイドル、嵐、ディズニーランド・・・など、なんでもいいんだと思います。
それを見つけられるかどうか。
少なくとも、
それがない、何も持っていない自分よりは、きよちゃんはずっと幸せな人生を生きていると思う。
きよちゃんに自分を重ねあわせ、空虚感を再認識する日曜の昼間でした。
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番組自体は、本当の闇は中年男性の方ではなく、地下アイドルの現実ではないかと考えさせられます。