独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

ノルマと生きる価値

僕の父親は大腸がんで抗がん剤治療をしているのですが、抗がん剤を止めようと思っているという話がありました。

主治医と相談し、決めたとのこと。

親父は大腸がんが再発して以来、ずっと手術と抗がん剤治療を繰り返しています。

再発ということは、死ぬか抗がん剤が効かなくなるまで治療を続けなければならないわけで、今回の決断は自らの命綱を断つような意味をもちます。
いわば、延命治療を中止するわけです。

母はすでに10年前に同じ大腸がんで他界しているので、親父には少しでも長く生きてもらいたいと思っています。

しかしその思いとは逆に、
親父が死ねば「親より先に死ぬという最大の親不孝をしない」というノルマを達成することが出来ます。
僕自身が生きている意味もなくなるので「今の自分の病気治療を止めて人生を終わりに出来る」という最低な思いがあることも事実です。

言葉では父に「長生きしてよな」なんて偽善ぶっているのに。


僕は薬に生かされており、治療薬を飲まなければ数年で死ぬと医師から言われています。
親父と同じように、自分にも「治療を止める」という選択肢があるわけです。
出来ることなら早くこの世から幕を引きたい。
そんなことばかり考えています。


三途の川を渡る舟のチケットはどこで売っているのだろう。