OUTと妻たちの犯罪
私はハッピーエンドで終わる物語が好きではありません。
後味の悪さが残るようなものがいい。
前にも同じようなことを書きました。
最後は正義の味方が勝つことも好きじゃないですし、殺人犯が逃亡するなら最後まで逃げ切って欲しい、とすら思うこともあります。
なんでしょう、世の中いいことばかりじゃないし、きれいごとで済まないことがたくさんあって。
そんなハッピーエンドばかりじゃないよ・・って思ってしまうんですね。
つくづく性格のひん曲がった奴です。
桐野夏生原作の「OUT」。
有名な作品ですし、海外の文学賞にノミネートされたこともあるので読んだことのある方も多いと思いますが、映画化もドラマ化もされています。
まだ自分が高校生とかの頃に両方見ましたが、自分はドラマの方が好きです。
田中美佐子と渡辺えり(当時はまだえり子)が良いんですよ。
それで、なぜ好きなのかというと、やっぱハッピーエンドじゃないんです。
ざっというと、弁当工場の夜勤パートの平凡な主婦たちがバラバラ殺人に手を染め、引き返せなくなる物語なのですが、それぞれが救われません。
生きていて、流した涙の数だけ救われることがあるのでしょうか。
辛いことばかりでなく、楽しいことがあるから人間生きていけるのは分かっていますが。
自分は世間が定義する「幸せ」を求める「資質」も「資格」もないと思うと、
バッドエンドで終わる物語に自分を投影できるのかもしれません。
やさぐれ。