独男、日々を飛ぶ

独りぼっち男の日常

インドの耳かきおじさんと鼓膜

今日、職場の人で耳かきをしていて鼓膜が破れた人がいました。

耳の穴から出血したため病院へ行くと、鼓膜に穴が開いていたそうです。
7mmの穴が。

鼓膜って何ミリあるか知りませんが、逆に1cmもあるのでしょうか。
ただでさえ狭い耳の穴。

っていうか、本当にいるんですねこういう人。
っていうか、本当に破れるんですね鼓膜って。

想像しただけで恐ろしいです・・・。

抗生物質を処方されたようですが、これにより聴力を失うとかいうことに
ならなければいいですが。。。



昔インドに行った時のことです。

首都のデリーにあるコンノートプレイスというお洒落エリアにある広場に、
通称「耳かきおじさん」と呼ばれる、旅行者相手に耳かきを生業としている人が
いました。たしか数人、そんな人がいたと思います。

もちろん、いいカモである日本人の私も声をかけられました。
おじさんは数々の日本人に書かせた、耳かきテクニックの称賛が書かれた
手帳を私に見せ、営業をかけてきます。

おじさん「ヘイ、ジャパニ。おれの耳かきはすごいぞ。これを読んでみろ。」
自分「どれどれ、ほー、確かに褒め言葉がたくさん書かれているな」
おじさん「ちょっと耳をおれに見せてみろ」
自分「見せるだけならいいよー」
おじさ「オー、Dirty!ちょっとやってやるから動くなよ。これはタダだから」

こうして耳かきおじさんはものすごいアプローチをかけてくる。
ちょこっとやってもらうと、とても気持ちがいい。
そもそも小さい頃に母親に耳かきをしてもらって以来、耳かきを人にしてもらうことなどなかった。

耳かきとかって、中途半端にされるとなんだかむず痒くて最後までやってほしくなるのが人間の性。

おじさん「おれはこれで家族5人を食わせている。この道のプロだ」
自分「(出たよ、インド人のこのパターン)いくらなの?」
おじさん「100ルピー(約250円)でいいよ」
自分「無理無理。高い」
おじさん「じゃあ、As you likeでいいよ。見ろ、この特別なメディスンを
     使ってやるんだ、これは高いんだぜ」

なにかオイルの入った容器を見せ、特別感を晒している。

おそらくただの水だろう。
これでふやかして耳くそを取る作戦なのはバレバレである。

日本ではなかなか経験出来ないことだし、なにより中途半端に耳掃除をされて
耳の穴が耳かきを欲している。


その後耳かきおじさんに耳かきをしてもらったが、超気持ちよかった。
思わず涎が垂れるほどの、超絶テクニックでした。
生きている中で、気持ち良かったことのTOP10に入るくらいです。


ドン引きするほどの耳クソの塊を、「どうだ!」とばかりに見せられるが、
もしそれが本当に取れた耳くその塊だったとしたら、芸術の域である。
てんとう虫くらいの大きさの耳クソ。
ま、相手がインド人なのでこれも偽物の可能性があり、信用は出来ない。

お礼は40ルピー(100円くらい)渡したら、これでは生活出来ないと激怒されたが、そのまま逃げてきました。

今でも、もしまたデリーに行く機会があれば、あの耳かきおじさんのテクに触れたいと思うくらいです。


今回の耳かき中に鼓膜を破った事件で、インドの耳かきおじさんを思い出しました。
インドを旅するバックパッカーの間ではデリーの耳かき屋は有名ですが、
こうして鼓膜を傷つけることもあることを考えると、そうなった場合は大変です。
色々な意味で。

ですが、私には耳かきをしてくれるような相手はいませんから、今のところ無用な心配
だとふと気づきました。